フェミニズム、教育

先月発売された、上野千鶴子さんの「女ぎらい」から、少しご紹介します。

                                                                                                                                    • -

人は「女になる」ときに、「女」というカテゴリーが背負った歴史的なミソジニーのすべてをいったんは引き受ける。
そのカテゴリーが与える指定席に安住すれば、「女」が誕生する。
だが、フェミニストとはその「指定席」に違和感を感じる者、ミソジニーへの「適応」をしなかった者たちのことだ。
だから、ミソジニーから出発しなかったフェミニストはいない。
フェミニストであるとは、このミソジニーとの葛藤を意味する。
ミソジニーを持たない女(そんな女がいるとして)には、フェミニストになる必要も理由もない。
ときたま「わたしは女だってことにこだわったことなんて一度もないわ」とうそぶく女がいるが、
この言い方は、「わたしはミソジニーとの対決を避けてきた」と翻訳するのが適切だろう。
「女」という強制されたカテゴリーを、選択に変える−そのなかに、「解放」の鍵はあるだろう。
上野千鶴子「女ぎらい」近代のミソジニーp.139 太字ほん吉)

                                                                                                                                    • -

フェミニズムとの出会いもしくはきっかけは各人にありますが、これはとても端的にすっぱり言ってくれています。
『そんなことを引き受けろとおまえに頼んだ覚えはない』というのはよくある揶揄ですが、それは嘘です。
著者は、鈴木道彦が李珍宇について書いた文章をあげたあと、『同じことを「女」について言いかえれば、こうだ。』としてこの文章を書いています。
同じように、「」内を変えて他のことについても言えると思います。


*****
わたしは、毎日に手いっぱいで、直接社会的ななにかをできているわけではありません。
フェミニズムの本も学術的なものになると、えっちらおっちら読むようです。
でも、自分なりにいやだいやだをやり続けます。やらずにはおれません。
おしゃべりは苦手ですので、時間をかけて、本屋としてどうにかそれをしたいと思います。
ほん吉は、張り裂けそうなヤダモンを飼う方に、寄り添える店になりたいと思っています。


本はそれぞれのテーマについて、さまざまな時代の、さまざまな持前の人が、
よってたかって、精一杯、考え動いた成果です。幾つもの軸が交差した手紙です。

本は先達になり、友になり、杖になります。
どうかひとりで泣かないように。
そんなら本を読みましょう。むろん、泣くのに飽きてからでも決して遅くはありません。

   

〜*〜*〜*〜*新入荷の一部ご案内です。〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*
  
ジェンダー・文学・身体 I・イリイチ、B・ドゥーデンを囲んで 玉野井芳郎 カバー 本体少クセ 1986 新評論
ホモセクシュアリティ 叢書・イギリスの思想と文化2 富山太佳夫 ジェレミーベンサムほか カバー 1994 弘文堂
愛について アイデンティティと欲望の政治学 竹村和子 カバー 2002 岩波書店
ジェンダー・トラブル フェミニズムアイデンティティの錯乱 ジュディス・バトラー 竹村和子訳 カバー 1999 青土社
性的差異のエチカ リュス・イリガライ カバー 1986 産業図書
プリミティヴへの情熱 中国・女性・映画 レイ・チョウ カバー 1999 青土社
ディアスポラの知識人 レイ・チョウ カバー 耳折れ箇所あり 1998 青土社
日本近代女性文学論 闇を拓く 渡邊澄子 カバー 1998 世界思想社
女性の権利の擁護 メアリ・ウルストンクラーフト 函痛 小口下角にヌレシミあり 背ヤケ 1980 未来社
ひとつではない女の性 L・イリガライ 後見返しに少はがれ 1987 勁草書等
アナイス・ニンの少女時代 矢川澄子 カバー端少しわ 2002 河出書房新社
アフリカの女性史 ケニア独立闘争とキクユ社会 コーラ・アン・プレスリー カバー 1999 未来社
ジェンダー秩序 江原由美子 カバー 2001 勁草書房
女子マネージャーの誕生とメディア スポーツ文化におけるジェンダー形成 高井昌吏 カバー 2005 ミネルヴァ書房
同じうたをうたい続けて 神沢利子 カバー 2006 晶文社
植木枝盛と女たち 外崎光広 カバーヤケ 少線 1976 ドメス出版
女性・暴力・人権 渡辺和子編 カバー 1994 学陽書房
青鞜の女・尾竹紅吉伝 渡邊澄子 カバー少痛 2001 不二出版
定本 富岡日記 和田英 カバー 1976 創樹社
信濃路の出会い 婦選運動覚え書 児玉勝子 カバー 1985 ドメス出版
自由と解放へのあゆみ 松本員枝聞き書き 松本員枝聞き書きの会編 カバー 松本員枝署名 1980 ドメス出版
性の人権教育論 山本直英 カバー 1998 明石書店
メディア・セックス幻想 AVにつくられる女と男の性文化 宮淑子 カバー 第3章エクスタシーの追及者たち(加藤鷹、樹まりこ/代々木忠南智子浜野佐知) 1994 太郎次郎社
月経と犯罪 女性犯罪論の真偽を問う 田中ひかる カバー 2006 批評社
炎の画家 三岸節子 吉武輝子 カバー 1999 文藝春秋
人名詩集 茨木のり子 カバー 初 1971 山梨シルクセンター出版部
男性社会 人間進化と男の集団 L・タイガー カバー 1976 創元社
買売春と日本文学 岡野幸江 長谷川啓 渡邊澄子 カバー 東京堂出版
大正期の職業婦人 村上信彦 カバー 1984 ドメス出版
大正生命主義と現代 鈴木貞美編 カバー端少疲れ 本文8頁にわたりマーカー線引大 他頁少消しあと 1995 河出書房新社
女性・ネイティヴ・他者 ポストコロニアリズムフェミニズム トリン・T・ミンハ カバー 1995 岩波書店
招婿婚の研究 全2冊揃 高群逸枝全集2、3巻 高群逸枝 函 1974 理論社
日本婚姻史 高群逸枝全集6巻 高群逸枝 函 1974 理論社
評論集・恋愛創生 高群逸枝全集7巻 高群逸枝 函背ヤケ 1974 理論社
母系制の研究 高群逸枝全集1巻 高群逸枝 函 1974 理論社
女性の歴史 全2冊揃 高群逸枝全集4、5巻 高群逸枝 函背少痛 1973 理論社
全詩集・日月の上に 高群逸枝全集8巻 高群逸枝 函 1977 理論社
小説/随筆/日記 高群逸枝全集9巻 高群逸枝 函背ヤケ 1974 理論社
クラリッサの凌辱 エクリチュールセクシュアリティー、階級闘争 T・イーグルトン カバー 1987 岩波書店



近代化と伝統的民衆世界 鶴巻孝雄 カバー 1992 東京大学出版会
占領下日本の教科書改革 H.J.ワンダーリック カバー 1998 玉川大学出版部
手紙で綴る北方教育の歴史 成田忠久監修 カバー 1999 教育史料出版会
デュルケムによる教育の歴史社会学 「秩序」の交替と「人間類型」の変遷 古川敦 カバー やや疲れ 一ヶ所頁開きクセ 1996 行路社
チャータースクールの胎動 新しい教育をめざして チェスター・E・フィンJrほか カバー 2001 青木書店
日本近代公教育の支配装置 教員処分体制の形成と展開をめぐって 岡村達雄編 カバー 2002 社会評論社
阿部重孝著作集 第7巻 欧米学校教育発達史 阿部重孝 函 1983 日本図書センター
明りをつぐ子ら 村山俊太郎と家族の記録 村山宏 カバー 1967 理論社
戦後日本の児童政策批判 金田茂郎 函記名シミ 1969 啓隆閣
婦人と年少者4 中小企業に働く人人のための福祉活動 1958 第6巻第4号 表紙折れ ヤケ 1958 婦人少年協会
婦人と年少者38 中小企業に働く婦人の福祉 第4巻第8号 ヤケ 1956 婦人少年協会
婦人と年少者39 働く年少者の保護運動 第4巻第9号 ヤケ 1956 婦人少年協会
婦人と年少者8 婦人の賃金問題 第6巻第8号 ヤケ 背少痛 1958 婦人少年協会
婦人と年少者9 労働者家族の福祉問題 ヤケ 裏表紙折れ 1958 婦人少年協会
婦人と年少者11 婦人少年室協助員の活動 第6巻第11号 ヤケ 裏表紙折れ 1958 婦人少年協会
婦人と年少者28 農村の婦人と年少者の問題 第3巻第9号 ヤケ 折れ 背少痛 1955 婦人少年協会
婦人と年少者34 家庭内職の諸問題 ヤケ 折れ 1956 婦人少年協会
婦人と年少者38 中小企業に働く婦人の福祉 第4巻第8号 ヤケ 背少痛 1頁折れあと 1956 婦人少年協会
朝日ジャーナル Vol.2No.15 シミ 婦人解放の混迷 磯野富士子 1959 朝日新聞社
明日をひらく教室No.1 テーマ自立と関係 1.中山千夏矢崎泰久対談講演 2.フリートーキング<おさえの会> 1980 おんな解放連絡会京都